学問に掛ける情熱の素晴らしさを
![]() | 旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三 佐野 真一 (1996/11) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
すごいです。こう言った方がいらっしゃったとは。。
元来理工系なので民俗学にはとんと疎いのですが、何と言うのでしょう、その学問の生い立ち、その創成に携わった人たちの人生。そう言ったものがひしひしと伝わってきます。
生涯を、慎ましく日々を生きる人々の生活を調査することに費やし、人生のほとんどを歩き続けた宮本常一氏(73年の生涯に合計16万キロ:地球を約四周)、そして、第二次大戦中には日銀副総裁にまでなりながらも、学徒のパトロンとなり続けた渋沢敬三氏、その二人の希有な人柄、数奇な人生が淡々と綴られています。
KJ法で有名な川喜田二郎氏、田中角栄氏、太鼓で世界的に有名な鼓童といった人物、団体がこのお二人の人生と関連が深かったと言うことを知って、なおさら驚きです。
そして、なによりも心を打ったのは宮本氏が残したこの言葉。
長い道だ。はてしない道だ。ずっと昔から歩き、何代も何代も歩き、今も歩き、これからさきもあるいていく。それが人の生きる道だ。後ずさりのない道だ。前へだけあるいていく道だ。
歩く事に後悔したり、歩く事を拒否したり、仲間からはずれても、時は、人生は待ってくれない。時にしたがい、時にはそれをこえていく。そして倒れるまであるく。後からきたものがわたしたちのあるいた先を力づよくあるて行けるような道をつくっておこう
生涯、歩き続けた方のコトバの重みを感じました。
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