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インド関係書籍

前に読んだものの書評をば。



Title:インドの衝撃 (文春文庫)
Author:NHKスペシャル取材班
http://www.amazon.co.jp/dp/4167773171
Review:[★★★☆☆]
IIT(インド工科大学)のスゴさ、数学に対する考え方、頭脳流出から頭脳立国につなげた人々の功績、経済成長を支える中間層、そんなインドで頑張る日本企業、などなど、これまで知らなかったインドの様相を垣間みることができました。一方で政治面ではいろいろと課題があるんだなーってコトも。


Title:続・インドの衝撃―猛烈インド流ビジネスに学べ
Author:NHKスペシャル取材班
http://www.amazon.co.jp/dp/4163707107
Review:[★★★★☆]
これもこれで興味深い。前作が技術者流出等に焦点を絞った一方、こちらは貧困層向けビジネス、インド企業に夜日本企業買収などがメイントピック。

2015年には四十兆円を超える?貧困層の経済力。なお、一日一ドル以下で暮らす世帯「最貧困層」がインドでは約3割、二ドル以下が「貧困層」でこちらが8割だそうです。2004年時点。

以下はメモ。
・州ごとに掛かる税金が全国展開の妨げに。
農業における自由競争を促すためのITCによる農村へのパソコン設置活動。
・日本人気質にまだ適合していないインド人の数字へのコダワリ。と言うか日本人がもっと数字を気にすべきだわ。
・世界で活躍する印僑。


Title:転換期を迎えるインド―変化をチャンスに変える日本企業の戦略
Author:-
http://www.amazon.co.jp/dp/4492443894
Review:[★★★★☆]
去年発刊されたものなので最新状況が載っていて参考になりました。以下はメモ:

・今のインドでは、現在の延長線上にない、もっと大胆なスペック変更が求められる。
・社会インフラ文脈での日本への期待。
・世帯年収100万ルピー以上は全体の3.4%。9万ルピー以下が49.9%。
・現場のことは、遠い日本本社が口出しするのではなく、現地に任せたほうがよいことが多い。
・紛争解決メカニズムの弱さ。
・インドに合わせた品質のローカライズ。
・インドのパパママストア「キラナ(Kirana)」
・インド独自のVAS事例:IVR(Interactive Voice Interaction)


Title:インド財閥のすべて (平凡社新書)
Author:須貝信一
http://www.amazon.co.jp/dp/4582856047
Review:[★★★★☆]
題名の通りインド財閥の情報が盛りだくさんな一冊。

インド最大のタタ財閥を始め、ビルラ財閥、リライアンス財閥、TVS財閥、アヴァンサ財閥、ヒーロー財閥、マヒンドラ財閥などなど。

インドで生活していると本当こういった財閥がすごい力を持ってんだなーと感じます。例えばタタなら車、携帯、ITサービス、服飾、塩、鉄鋼などなどとどんだけ多角経営してんだと思わずにはいられないほど。

全体構成としては、「財閥」の定義、インドにおける財閥の勃興、主要財閥の紹介、中堅財閥の紹介となっており、インド財閥の概観を得るには非常に都合が良かったです。

以下はメモ:
・インド財閥の起源はボンベイ(現ムンバイ)で活動していた「パルシー(ゾロアスター教徒商人)」、「グジャラーティ(グジャラート地方出身)」の商人コミュニティとカルカッタ(現コルカタ)で活動していた「マルワリ」の商人コミュニティ
・植民地化時代にあったインド独自の企業経営制度「経営代理制度(経営支配と株式保有比率に関係性のない持ち株会社のようなもの)」
・インドの核開発を推進したタタ基礎研究所のホミ・バーバー博士
・タタ財閥の創始者はジャムセトジー・ナッセルワンジー・タタ
・タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)は1968年設立。IT産業への早い参入がタタの強さの源泉の一つとなっている。
・タタ財閥の2011年に発表した中期経営計画の中で「今後五年間で一兆二千億ルピーを国内事業に投下する」、「予算の半分を電力事業に振り向ける」とした。

インドの歴史を「財閥」と言う切り口から垣間みることができた一冊でした。


Title:インドで「暮らす、働く、結婚する」
Author:杉本 昭男
http://www.amazon.co.jp/dp/4478012865
Review:[★★★★☆]
インドに渡り、日本語を教え、インドの女性と結婚した著者が綴る一冊。

何冊かインド本を読んでたりしますが、依然として日本との「違い」には驚かされっぱなしです。生死観、カースト、浄不浄の考え方などなど。違いは違いとしてそれを理解しないことには何も始まらないのかもと思ったり。でも、やっぱり病気は怖い。

カレーが日本で言うところの醤油を使った料理だと言うたとえには納得。


Title:インド人とのつきあい方―インドの常識とビジネスの奥義
Author:清好 延
http://www.amazon.co.jp/dp/447800935X
Review:[★★★★☆]
そうだなーと頷くこともあればそうだったのかーと新たに発見することも。

・ビルラ財閥の会長の奥さんは毎週チャパティを焼いて人に配っていた。
・最近はインド国内で愛国心の高まりがある。
・カーストとヴァルナ(バラモン、クシャトリヤ、バイーシャ、スードラ、不可触民)とジャーティ(血縁や職業等によって細分化された身分、3000以上の区分)
・ITなどの新しい職種はカーストの規制外
・インドに手形はない。
・インドに土地台帳はない。

などなど。果たして自分は受け入れているのかしら。


Title:図解 インドビジネスマップ―主要企業と業界地図 (B&Tブックス)
Author:インドビジネスセンター
http://www.amazon.co.jp/dp/4526067903
Review:[★★★★☆]
業界を自動車から機械、電機、素材、化学、食品、エネルギー、小売り、ITと網羅的にカバーした一冊。

おぼろげながらではありますがインドの産業構造が見えてくる気がします。

以下はメモ:
・パナソニックはムンバイに「パナソニックエクスペリエンスセンター」を開設
・日印相互協力のエコタウン構想
・HONDAは2011年にヒーロー・ホンダの合弁を解消。以降はHMSIでインド市場を狙う。
・トラクターの普及率は100人の農民に対して1.2台。
・日立建機とテルコ・イクイップメントの技術提携からできたブランド「タタ・ヒタチ」
・韓国メーカーに見習うべきローカリゼーション。冷蔵庫にはドアロック機能、ベジタリアン向けに野菜室拡大。
・ヒンドゥーの36%がベジタリアン。
・電力の質の問題。盗電、メンテナンス不足。
・細分化された物流の複雑構造。
・上場企業が「病院チェーン」を展開。
・都市部で広がるモバイル付加価値サービス。
・ITデリバリーの拠点の60%は欧米諸国に設置。


Title:インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)
Author:上村 勝彦
http://www.amazon.co.jp/dp/4480087303
Review:[★★★★☆]
インド神話について書かれた本を読んだのは初めてだったりする。

思った以上に興味深い。厨二病っぽいところもあるし突っ込みどころもあるけど神話にそれは野暮という話もあり。

例えば、

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山々はプラジャーパティ(創造主)から最初に生まれた息子であってが、翼を持ち、自由に飛び回っていた。そのため大地は安定を欠いた。そこでインドラ神は山々の翼を断ち切って、大地を安定させた。翼は雲となった。それゆえ、雲はいつも山のまわりを漂う。
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なんだそれ、と思う一方で詩的と感じてしまったりもします。

他にも、不死の飲料である甘露(アムリタ)を作ろうとして、

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「神々とアスラ(阿修羅)の群との両者で大海を攪拌すれば、甘露が出現することであろう。神々よ、大海を攪拌せよ。そうすれば、一切の薬草、一切の宝石を得た後、甘露を得るであろう。」
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で、攪拌棒としてマンダラ山を大蛇アナンダに引き抜かせて、山を海まで運んだら、亀の王アクーパーラの上に乗せ、大蛇ヴァースキ竜王をそれに巻きつけ、神々と魔類の群で両はじをひっぱって山を回して、海を攪拌したと。スケールがでかすぎる。

いくつかの話は変化しつつも日本にまで伝わっているものがあったりしてそれもまた面白いです。天女伝説とか。

あと、ネーミングがパンチが効いているなーと。結構、アニメ、ゲームでも使われているものもありますね。

・アムリタ(甘露)
・トゥヴァシュトリ(工巧神)
・アプサラス(天女)
・ブラフマー(梵天)
・ヴリトラ(悪竜)
・アウルヴァ(腿から生まれた者)
・ラークシャサ(水を守る者、羅刹)
・ヤクシャ(水を崇拝する者、夜叉)
・スカンダ(韋駄天)
・ガネーシャ(聖天、群(ガナ)の主)

別の本で、仏教発祥の地インドではかつて仏教が普及していたがあまりに難解になりすぎて人々がついていけなくなっていた。一方で生き生きとした内容のインド神話、ヒンズー教が受け入れられるようになった、という記述がありました。確かにどことなく人間臭さを感じるインド神話、親しみやすかったのだろうなと思った次第です。


Title:勇気をくれる、インドのことわざ    幸せをつかむ タミル語、ことばの魔法
Author:ニルマラ 純子
http://www.amazon.co.jp/dp/4763410571
Review:[★★★★☆]
何となくインドというキーワードだけで買ってみましたが意外に面白かった。日本の諺と同じようなものもあればインドの文化背景に根ざしたものも多数あったり。例えば、
・虎は飢えても草は食べない(人の本質は変わらない)
・猫が牛乳を飲まないことがあろうか(人は見た目で分からない)
・牛乳があるのにバターを探す(手間を惜しむな)
・話し手が種を蒔き聞き手がそれを収穫する(発した言葉は人を巡る)
・雨に濡れる羊を狼が哀れむ(悪意を持っている人は優しそうな顔をする)
・虎のいない町では猫が王(井の中の蛙)
・静かな川にはワニがいないと考えるなかれ
・ゾウが争えば草原も無事ではない
・踊り子は東を向き労働者は西を向く(経済は回る)
・牛は茶でも黒でも、乳は白(見かけに囚われるな)

などなど。それ以外にも「智恵、知識」など考え方に関する諺が多かったのも印象的。
・知るは一滴に過ぎず知らぬは大海の如し
・知ろうとしないことは無知の極み
・千一回目の挑戦を試みよ
・多くの意見があっても決めるのは一人
・批判を退けず、賞賛に驕らず
・熟練者には草でさえも武器
・炎は熱がある限り燃え続ける 地球は回転している限り存在し続ける 人間は挑戦し続ける限り人間である
・幸せは共有すると二倍になり悲しみは共有すると半分になる
・まず相応しくあれ、それから望め
・毒は優しく盛る(忠告は優しく)
・石からジュースを絞る(根気よく取り組む)
・転んだのは自分のせいかそれとも玄関のせいか
・塀の上に立つ猫(物事がどちらに転ぶか分からない)

タミル語の言葉も記載されていますが自分にはチンプンカンプンでしたです…。
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@2017/04/01 13:45   | 0 comments | 0 trackbacks |

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icot

Author:icot
総合電気メーカで働く会社員でしたがいい年にも関わらずコンサルに転職。お酒、ジョギング、音楽、本、料理をこよなく愛してます。ここでは、日々感じた事を書き連ねるとともに、いろいろ実験してみたりしてます。
icotfeels[at]gmail.com

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